稀勢の里の引退に伴い、横綱が白鵬・鶴竜の二人となり、寂しくなってきた大相撲界。
日馬富士の引退は、思わぬトラブルとしても、稀勢の里は大きなケガにより、それまでの相撲が取れなくなったことが理由ともいわれています。
照ノ富士のように、大関まで上がったもののケガによる休場などで三段目まで番付を下げた力士もありますが、往年の勢いがないようです。
稀勢の里の場合、ケガを負ってもやはり 横綱を張る以上 土俵を務めなくてはならないのが横綱の務めだったのですが、力士生命を縮めた原因となったことも否めない印象ですね。
今回は、力士の負傷が増えた理由を書いてみました。
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1日3力士が車いすに乗る異常事態はどうしたものか?
2018年1月22日は壮絶は”ケガ”のシーンが続出したのでした。
★ 千代の国が勢の攻めを土俵際でしのごうとしたが、左ひざに負担がかかったのか、勢に押し倒しにあい苦悶の表情を浮かべる。車いすで退場。
★ 琴勇輝が土俵下に落ちた際に足を痛めて、車いすで退場。
★ 宇良(幕下)も古傷の右ひざを負傷し、車いすで退場。
この日は、力士にとって厄日ともいうべきところであり、3力士が花道を自分で歩いて退場できず車いすに頼ることに。
ちょっと、このところ多すぎはしないのか?との意見が目立って来ました。
力士の巨大化がケガの重症化・長期化の根源
ある力士OBの話が、結構 説得力がありますので書いてみます。
「今の力士は、とにかく大きくなったと思います。
幕内力士の平均体重が166.2キロと過去最高をさらに更新している。
要するに『横にもデカい』状況が続いており、足腰に負担が大きくケガがしやすい。
また、大きくなると稽古の量がどうしても少なくなってしまう。
体重が減るとどうしても力負けするので、体重は増える方向にあり、どうしてもパワー中心となる。
技よりパワーの相撲となり、簡単にケガをする結果となる」
要するに、大型化が原因となって、ケガが増えてしまう結果に。
稀勢の里は188センチ、177キロで、やはり適正体重を大幅に上回っている状況です。
先の琴勇輝などは、176センチで173キロなので、身長と体重が同じような数字であり、明らかに体重が大きすぎることになっています。
ちょっとした、引き技でも足がついていかないので簡単に落ちるし、思わぬ大けがのもと、ということのようですね。
地方巡業が増えているのもケガの元らしい
『1年を20日で暮らすよい男』
相撲取りは、とにかく全力相撲が少なくて、あとは稽古とのんびり休養と昔は相場が決まっていたものでした。
ところが最近は、地方巡業が大幅に増えて『過密スケジュール』で休む間もないようですね。
地方巡業というのは、本場所とは別に年4回行われる地方での相撲を指します。
本場所は、初場所・春場所・夏場所・名古屋場所・秋場所・九州場所の各奇数月に行われる場所を指します。
それに対し、その本場所の合間に年4回行われる地方場所のことを指します。
慣例的には、春は関東、夏は東北・北海道、秋は中部・近畿、冬は九州で行われるのです。
地方で大相撲のファン獲得に一役買っている地方巡業ですが、2014年には27日だったのが、15年には64日、2016年には75日まで増えました。
地方巡業は、力士側としては、慣れぬ環境で無理なスケジュールと やはりケガにつながる可能性が高いと言えるでしょう。
相撲人気回復のための強行出場があだとなる
先に挙げた、照ノ富士や稀勢の里などが好例なのですが、とにかく昇進したら期待にこたえなくてはならない!
若手有望力士が早々に上位番付をにぎわせるようになると、成熟した身体や取り口が確立されるまま上位陣と激突しケガを負う羽目に。
そして、そのケガが重症化・慢性化することによって休場を余儀なくされるというパターンが急増しているのです。
体重を増やすのは案外簡単なのだろうとは思うのですが、大きな力士の激突だけが 相撲のだいご味ではないはずで、ぜひケガ防止に注力してもらいたいものです。
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